ソネットとは、14行からなる韻を踏んだ詩のことである。
もともとは「小さな詩」から始まり、のちにイタリア風、フランス風、イギリス風に確立していった。
シェイクスピアの14行からなるソネットは有名だ。
事典によると、「英語などと違い、日本語では韻を踏むことができないので、ソネットはできない」と書かれているが、万葉集を代表とする和歌、短歌には枕詞(まくらことば)やリズミカルな言葉遊びなどがあり、やはり同じような感覚の文芸はあると思う。
あの3月11日から半年が過ぎたが、まだまだその傷跡は癒えない。
あの災害の直後から、世界中のだれしもが心を痛めたように、私もまた悲しみの中にいた。
私たち自身が何ができるのか、ということは常に心を占めていたが、一方で無力感の中にもいた。
今は、それぞれに役割があり、自分の能力の中で最も役立つことがあるのではないかと感じている。
中心から波紋が広がるように、感情の強さには時間差と強さの差があると思う。
辛いまっただ中にいる人たちに、「がんばってください」なんて私には言えない。
ただ自分の仕事をする。
花は言葉を発しない。
励ましもせず、けなしもしない。実用的ではない。
でもそこにあるだけでちょっぴりの幸せを感じる。
そんな花になりたいと願うだけである。