赤ちゃんの頭ほどある巨大な花、タイサンボク。新宿御苑で。
白いシルクサテンのカーテンのような花びら。
隙間から、中の蕊をちょっと覗いてみた。
アール・デコ建築みたいな蕊。
マグノリアっていう名前もとっても素敵。
本当に大きいな。
堂々とたっぷりして、花の王様みたい。
気品もある。
葉っぱも、つやつやしてとっても固い。
開きかけの花に顔を突っ込んでクンクンしてしまう。
ちょっとシトラスっぽさもある、固い果物のようなグリーンノート。
タイサンボクは背が高いので、なかなか香りを嗅ぐことができないのだが、ここ新宿御苑のタイサンボクはよく分枝して、下のほうにまで蕾がついている。
ちょうどよい咲き頃の花があったので、久しぶりに匂いを確かめることができた。
もっと濃い、ジャスミン調の甘い匂いだと思っていたが、ずっと爽やかなのが意外。
もしかしたら、ちょっと似たホオノキの花を遠目に見て、漂っていた香りの記憶と混ざっているのかもしれない。
やはり、機会があるたびに本物を匂ってみるのは大切だ。
季節、場所、個体差もあるし、思い込みは厳禁。
そして、いつも素直な感覚で香りを見ていないといけない。
ましてや、本なんかに書いてあっても、ちっとも理解したことにならない。
それは、どんなことでもそうだ。
つぼみのときはほとんど匂いがしない。
咲く直前のつぼみは、つるっとして野菜みたいだ。
さかのぼって、もっと前の蕾は毛が生えている。
モフモフして、かわいい。
これは、5月14日のタイサンボクのつぼみ。
この毛のオーバーはどこへ行ってしまったんだろう?
花の不思議はつきない。
▶タイサンボク マグノリア モクレン科 モクレン属▶学名:Magnolia grandiflora