パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

香水瓶の世界 東京都庭園美術館

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門をくぐると、長い道が緩やかにカーブして続く。
昨日は暖かい一日で、お出かけ日和。

でも雑木の中の道はひんやりとした空気が心地よい。
本当に静かな道を抜けると、お屋敷が見えてくる。

 

ここが目黒駅から歩いて5分の都会とは思えない・・・。
会期は11月28日まで。

ずっと行こうと思っていたのだが、なかなか時間が取れなかったのだが、休日や、会期末になると混むからと、昨日は3人連れでぱっと行ってきた。

 

 

かなりの部屋数に並べられた香水瓶の点数は思ったより多かった。
見なれたものもたくさん。

 

日本での香水展は、ずいぶん昔にあった、東京大丸の「香りの美学展」が大きかったけれど、ここは建物自体も見るところがあって楽しい。


朝香宮邸として1933年に建てられたお屋敷をそのまま美術館にしてある。

おりしも、ヨーロッパはアール・デコの流行した時代。
フランスのデザインを取り入れた邸内は、例えば、天井の周り縁や照明、窓の形と配置などをとっても、展示物以外にみどころがある。

かわいいお部屋がいくつもあって、貴族の隠れ家的別荘という趣き。

日本のオリエンタリズムに影響を受けて始まった西洋のアール・ヌーボーから、デコへ、そして美術や建築に投影され、それがまた逆に日本に戻ってきて、洋館となる。

西洋式であっても日本的、と言えばそうなのだが、この時代の洋館って微妙。
でも、建てられた当時は、庶民には手の届かない、とてもモダンでハイカラなものだったのだろう。

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花を見ながらぶらぶらとお庭を歩いたり。
バラも秋の花をつけていた。

今日にふさわしい良い香りのブルームーン
秋の薔薇は長持ちするし、香りが遠くまでよく届く。

  

階段を上ったり下りたり、庭を歩いたりで、ちょっと疲れたので、最後に入口横のカフェで一休み。
一緒にいった連れは、
「今日はお休みだったけど、建物の近くにもっと雰囲気のあるお茶室があったのよ~」
と盛んに残念がる。

 

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私はカフェ・ラテを。
お盆にくぼみがあって、カフェオレ・ボウルが載っている。
抹茶茶わんに似てるけど、違う。

フランスのカフェオレ・ボウルは、洋食器としては珍しい、手に持つ食器だ。
面白いけど、コーヒーに持ち手がないってちょっと飲みにくいな。


二人静という、干菓子がついてきた。
和洋折衷。 

 

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