私はもっと、お庭バラのような、野趣のあるオールド系のローズがすきなのだけれど、
ここにはこれがとても似合っている。
パリのプチホテルは静かで、ロビーにはいつもそんなに人がいない。
少しうす暗い光の具合が、この赤いバラをとてもきれいに見せている。
アンティークの鏡の中に、もうひとつの世界が。
鏡や光と影、そういったイリュージョンの使い方が本当にうまいと思う。
日本には日本の、灯りの文化があったのに、今ではどこも煌々とした蛍光灯で
すみずみまで明るく照らしてしまい、風情がなくなってしまった。
サンジェルマンデプレ、セーヌ左岸のプチホテルにて。