「この世に偶然はひとつもありません」
(天使のメッセージ② 中森じゅあん 1997 P53)
だれにでも、そういう時期はあるものだが、私にとっての1999年は激動の、大変につらい時であった。
普段、流れ去ってしまう景色も、そういうときにはふと眼の隅に引っ掛かってくるものだ。それがきっと、その時に必要としている薬草のようなものなのかもしれない。
前置きが長いが、この天使のメッセージは、当時の心の薬として非常によく効いた。
書店の、あまり行かない売り場に平積みにされていて、通り過ぎた後、もう一度引き返して手に取った。
パラパラと目を通して、買った。家で読んで泣いた。
書いてあることは当たり前のことなのに、自分で考えて思うのと、本で読むのはどうして違うのだろう。自分で自分の頭をイイ子イイ子しても、うれしくないのと同じなのかな。
一通り読んだあと、毎日、ぱっと開いたところを、天使からのおコトバとしてありがたく拝聴した。状況が変わってくるにつれ、次第に読むことから遠ざかり、たぶん薬は必要がなくなったのだろう。いつか本棚の隅に忘れられていた。
連休中、久しぶりに実家の本棚を整理していて見つけた。いろんなことを思い出した。音楽と同じで、夢中になって聞いたころのことがよみがえってくるようだ。
付箋がいくつもついている。どんなことが心を打ったのだろう。
「この世に偶然はひとつもありません。
人生に無駄なことはまったくありません。
すべてが必然です。
すべてが有益です。
心を開いて素直になれば判るのです。
吉報か凶報かはあなたの心次第です。」
(天使のメッセージ② 中森じゅあん 1997 P53)