まおちゃんが3つ目のトリプルアクセルに成功した瞬間、見ていて思わず涙ぐんでしまった。
==== この一飛びの後ろ側に、どのくらいの努力があったのかと思うと、どんな言葉も陳腐だ。 たぶん、日本中の人が応援し、感動し、涙したと思う。
採点方法がどうとか、曲が暗過ぎて受けないのでは、とか評論家たちが言っていたけれども、世間受けやパフォーマンスのような小さいことにとらわれず、志を高く持ちあえてリスクの高い演技に挑む、彼女の姿から学ぶことは多い。
世の中なんでも効率中心の風潮だ。そんな世俗の垢に染まらず自分の道を突き進む彼女をみていると、金メダルと言う名誉が小さく見える。(というくらいまおちゃんは大きい)
悔いを残すことは悪いことじゃない。完璧は完結であり、未完だからこそ、完璧を目指してさらに高みに登ることができる。何年か経って「だからあの時はあれでよかった」という日が必ず来る、彼女はそんな風に努力を続ける人だろう。
この、ラフマニノフの「鐘」(前奏曲 嬰ハ短調)はいい。ロシアの音楽は日本人の魂に近い。
今回使われた曲、「前奏曲嬰ハ短調」はラフマニノフの若い頃の作品で、通称を「鐘」と言う。これより10年ほど後に書かれた合唱交響曲「鐘」があるが、別のものだ。
もうひとつの「鐘」。
これより10年ほど後に書かれた合唱交響曲「鐘」は、ラフマニノフがファンから送られた、ロシア語訳のひとつの詩に触発されて作曲したという。
エドガー・アラン・ポーの「さまざまな鐘」という詩だ。人生の春夏秋冬を鐘になぞらえている。
1部が銀、2部が金、3部が銅、4部が鉄の鐘である。その中から、一番希望に満ちた明るい詩、最初の「銀の鈴」を真央さんに贈りたい。
橇(そり)についたたくさんの鈴の音をお聞きー
銀の鈴だよ!
その音色は、これからの楽しい遊びを告げている!
それが夜の冷たい空気の中で、
なんとよく響くことよ、りん、りん、りん!
そして夜空には、いっぱいちらばる星星が、
澄みきった喜びに、
きらきら光っている!
魔法の呪文に合わせるかのように、
橇から湧き出る鈴の音りん、りん、りんに
調子を合せるように
チカチカチカチカ光っているー
その鈴の音に、鈴の音に、鈴の音に、
鈴のりん、りん、りんの音に
合わせるように
銀の鈴だよ!
その音色は、これからの楽しい遊びを告げている!
それが夜の冷たい空気の中で、
なんとよく響くことよ、りん、りん、りん!
そして夜空には、いっぱいちらばる星星が、
澄みきった喜びに、
きらきら光っている!
魔法の呪文に合わせるかのように、
橇から湧き出る鈴の音りん、りん、りんに
調子を合せるように
チカチカチカチカ光っているー
その鈴の音に、鈴の音に、鈴の音に、
鈴のりん、りん、りんの音に
合わせるように
欧米では、美しい英語の韻を学ぶために、子供のころこの詩に親しむらしい。