パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

新宿御苑の水仙 ナルシス

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美少年ナルシスは、水面に映った自分の姿に恋い焦がれついに息絶えてしまう。その身は、水鏡を覗きこむ水仙の姿に変わった。

「ナルシスト」の語源にもなった自己愛の花。

 

 

一方「エコー」は、相手の言葉を繰り返すしかできない妖精。ナルシスに恋をしたが話しかけることはできず、思いを告げられない憔悴のあまり、とうとう声だけになってしまう。エコーは木霊。

 

ギリシャ神話に由来する花の名前はたくさんある。ヒアシンス、アネモネ、ダフネ、パンセ・・。

 

 

 

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 「僕はナルシス、君はエコー」

なにかの小説で、美少年が自分に恋する乙女に投げつける言葉だ。

 

 

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 水仙の花は毒がある。球根も、葉も。

 

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新宿御苑は今がスイセンの花盛り。風に載って、甘い香りが運ばれてくる。
近くによって香りを吸うと、ややアニマリックで濃厚だ。

花姿の可憐さと、匂いのギャップがあるのは、白い花の常である。

 

コティのナルシスノワール(黒水仙)は、妖艶なオリエンタルスイート。

 

▶ 花事典 ヒガンバナ科スイセン属(Narcissus tazetta var. chinensis)

 

 

 

 

 

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