パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

着物と香水 日本の伝統色

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これは私の、蒲葡(えびぞめ)という名の香水。市川団十郎夫人の着物展示会で出展されたもののひとつだ。

 

 

昨日も触れたが、堀越希実子さん(団十郎夫人)は着物のブランドをおもちで、ご縁があって、2年前の「茶屋ごろも」という展示会では、この写真の香水を一緒に販売させていただいた。

そもそもは、もう5年ほど前に成田屋さんの事務所からご連絡があり、市川海老蔵さんのプライベートな香水を依頼されたことから始まる。

なかなかお好みが難しく、苦労した。海老蔵さんのお母様(つまり団十郎さんの奥様)の希実子さんは香水がもともと大好きでいらしたそうで、そんなことからつながったお話だった。

 

私のコレクションの中から奥様が5種類の香水を選び、日本の伝統色からそれぞれ名付けていただいた。この展示会用に、桐箱にはそれぞれの色目の真田紐を合わせ、箱書は団十郎様の手蹟(て)による、特別な香水となった。

桜の香りには浅紅(うすあけ)を、牡丹には蒲萄(えびぞめ)、みずみずしい春の湧水は萌黄(もえぎ)、女性らしいフローラルの香りには紫紺、そして、夜の梅には黒紅(くろべに)という名がつけられた。 

和の香水は、やはり日本の伝統色のトーンがふさわしい。名前と意味も含蓄があり、豊かな日本の文化を感じさせる。 

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平成19年10月5日(金)~7日(日) 銀座清月堂ビル

写真の香水の箱とボトルは展示会のため限定販売で製作しました。

 

  

 

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