パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

ジベルニーの藤(ふじ)Giverny

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ジベルニーの藤(ふじ)Giverny

藤の見ごろは5月。そんな先入観があるせいか、いつも桜に気を取られているうちに、気がつくと藤も終わりごろだったりするから油断ができない。

もう今からサーチしはじめなければ。

 

これはモネの庭、フランス・ジベルニーの藤。

急に1日フリーになったので、思いついて半日の観光ツアーに申込み、バスに乗って行った時の写真である。

 


ごく若いころから、ジベルニーはあこがれの庭だった。

モネは植物をこよなく愛し、「この庭を維持するために絵を描いて売った」のだという。そこがまたいい。

 

まえまえから太鼓橋にかかるジベルニーの藤を見たいと思っていたが、バスガイドさん(といってもすごいおばあちゃん)に、今はタイミングよく満開だと聞いて(しかもだみ声)期待感がいやがおうにも高まる。

 

お屋敷の中はパスして、前庭を見た後、いよいよ日本庭園へ。

 

トンネルをくぐって出ると、左右対称の洋風庭園から、自然を映したような趣のある景色へ場面転換。水の流れや竹林が配されていて、どこを見ても枠で囲えばそのまま絵になってしまう。

 

 

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お目当ての藤にたどり着き、圧倒的なボリュームに感動。

 

花びらが大きく、密度も濃い。豊かで明るい藤の花は、いかにもヨーロッパ的。

 

ひなびたところや枯れたわびさびの世界とは対極だな、と思いつつもその華やかさに心が弾む。

 

花に顔を近づけてクンクン嗅いでしまう。

あれも、これも、みんな嗅ぎたい。橋の上を何回も行ったり来たり、降りて遠くから眺めてみたり。

 

要所要所には、監視員が立っていて、花を盗るのではと怪しまれ睨まれてしまう。

そこで匂いを嗅ぎながら、メモをとりはじめるとにっこり笑ってくれた。

 


藤の匂いの骨格はハニーとグリーンとパウダリー。

リラとミュゲとオレンジフラワーを合わせて蜜をたっぷり入れたようなと言ったら近いだろうか。

 

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紫と白は匂いが違う。

朝起きて庭の椅子に腰かけて、樹々に訪れる鳥や虫や風を眺めながら、陽が移ろい 影が池をのみ込むまで、一日中こんなところにいれたら最高に幸せだと思う。

 

でも、きれいなだけではなくて、そのバックヤードは本当に大変。

 

表に見える所だけでなく、それを維持するための努力に思い至らなければ感動は浅いのである。

 

 

写真:GIVERNY  glycine

 

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