パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

桃李もの言わざれど下自ら蹊を成す

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きょうは、お花屋さんでシダレモモの鉢をもらったので、うれしくてしかたがない。

代々木駅からちょっと入ったところにあるこのなじみのお花屋さんは、茶花(ちゃばな)やオールドローズなどを扱う変わったお店。いずれご紹介。


さて梅、桜、桃は春の訪れを告げる日本の代表的な木の花である。

前に述べたとおり、いずれもバラ科の植物であり、古来和歌にも詠(よ)まれてきた。
梅は特に香りを愛でられ、桜はその花の姿を、桃は「実」が聖なるものとして讃えられた。

花の蕾や実の核、葉などは漢方で薬として使われる。昔は病気が魔物によるものと信じられていたゆえに、治療薬となる植物である桃は神聖だったのだろう。

桃の花は匂いが淡く、「桃の香り」と言うと果実の甘く瑞々しい香りを思い浮かべる人が多い。果実の香りは誰でもよく知っていて、しかも小さいころから馴染みがあるので多くの人に好かれている。

受けいれやすいゆえ、香水のトップノートにピーチを持ってくるのはごく一般的である。ジャスミンやミュゲ系の透明感のあるボディに乗せるのがここ10年くらいの流行り。


さて今回のタイトル
桃李もの言わざれど下自ら蹊を成す
(とうりものいわざれどしたおのずからこみちをなす)

声の大きい人の意見がとおり、要領のよさが世渡りにつながることの多い昨今。こういう気持ちで生きていきたいものである。

ちょっと、内容が散漫になってしまった。


(意味)
桃やすももは何も言わないが、花や実を慕って人が多く集まるので、その下には自然に道ができる。徳望のある人のもとへは人が自然に集まることのたとえ。(Yahoo!辞書 大辞泉


写真:来たばかりのシダレモモ

 

▶ 花事典 モモ:バラ科 モモ属  学名:amygdalus persica

 

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