冬でも枯れぬ常緑樹ゆえ、常盤(ときわ)の松は不老長寿のシンボル、おめでたい木とされている。
盆栽は年寄りの趣味だと思っていたが、だんだん良さがわかってきた。(つまり年取ったということか。)小さな木に大木の風格があるのは感動する。自分が小さくなって、その木を眺めている気分になると、なおいい。
[BONSAI]は近年フランスでも流行っていて、たくさんの本が出ている。実物はまだ「なんちゃって盆栽」のレベルだけれど、愛好家も増えているようだ。数年前、パリの知り合いのお花屋さんに「次に来るときは盆栽をお土産に持ってきてくれ」と言われたほど。(いや、むりだけど)
小さい頃、意味もわからずふざけて歌うと母親にしかられたものだ。叱られるからおもしろくて。
「松の木ばかりが松じゃない~あなたを待つのも松のうち~♪」
松からはパインオイルが得られる。デリケートな香りにはあまり向かない。香水より石鹸のようなものによくつかわれる。アロマセラピーではポピュラーだ。
ホテルニューオータニの入り口両脇にある松の盆栽。背景とあいまって素敵。
▶ 花事典 マツ:マツ科 マツ属 学名:pinus