薄い牛皮(ぎゅうひ)の中に包まれた翡翠色のマスカット。
初め、普通の和菓子かなと思って口の中にぽいっと入れて噛むと、中からプシュッとみずみずしいマスカットの果汁があふれる。
うれしい驚きだ。
戴きものの源の吉兆庵のお菓子「陸乃宝珠」は、生のマスカットがまるごと一粒入っている。
これ、和菓子なのかな?でもやっぱり和菓子だよね。
ネーミングもいい。
果実の自然な甘みを、外側に振ったお砂糖が程よく引き出していて、日本のお菓子のデリケートさ加減にはとても感心する。
欲を言えば、口に残る種を出すのが人前ではやや躊躇われるが、山梨の人は種も食べてしまうと言うから・・・。
なんと言っても、このフレッシュさが、いままでの和菓子の概念を超えている。
日本にいてよかったな、と思う午後のお茶のひとときであった。