パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

朴ノ木(ホオノキ)の一年 Magnolia obovata thunb

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30センチはある大きな朴(ホオ)の木の葉。

この葉で包んで、七輪で焼いたりする。
春の葉は明るい緑で、さらさらとしてとても柔らかい。

 

 

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満開のホオノキの花。

咲きはじめのつぼみのときは、サリチル酸メチル、いわゆるサロンパスのようなスースーした匂いだが、開花とともに熟れた甘い果実の匂いになる。

 

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6月。朴(ホオ)の実。
キワノにも似た、南国の果実のようだ。

 

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夏は涼しい木陰を作り、休ませてくれる。

ほれぼれするような、風格のあるホオノキ。

樹齢どのくらいなのだろう。
あっちこっち、包帯が巻いてある。
傷だらけでも、毎年たくさんの花を咲かせる。

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秋、ゴワゴワになった朴(ホオ)の葉。

 

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下にある桜の葉と比べて、こんなに大きい朴の木の枯れ葉。
目の部分に穴をあけ、子供がお面にして遊んでいる。

 

春には柔らかい葉を、5月にはかおり高い巨大な花を、秋には大きな枯葉を落とす朴ノ木。
たった一行で書いてしまえる朴ノ木の一年だけど、私は日々歩いて、接することが大事だと思う。

本に書いてあることは、それだけではまだ、ただの知識に過ぎず、いくら抱えていてもタンスのコヤシのようなものである。
それを自分の血と肉にするには、日々触れて感動することじゃないかしら。

 

Magnolia obovata thunb

 

 

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