八重桜が終わると、入れ替わりにホオノキの花が咲く。
こどもの顔ほどもある、巨大な白い肉厚の花。
そしてちょうどゴールデンウィークのころは、
藤の花も、桐も、すずらんも、香りの花が一斉に咲き始めるのでとても忙しい。

大迫力の花からは、ボリュームのある香りが漂う。
赤い色の蕊を持つ白の花は、イチゴとチュベローズをまぜたフルーツ・カクテルの匂い。
ホオノキの花が咲くと、母の日がもうすぐだなって思う。

大きな葉もきれいだ。
まだ柔らかくて大きくて、シルクのような手触り。
この大きな葉にミソを包んで焼いたのが朴葉味噌(ホオバミソ)。
冬には、固くグレイになった葉が地面に落ち、鈍(にび)色に波打つ海のようになる。
冬には、固くグレイになった葉が地面に落ち、鈍(にび)色に波打つ海のようになる。
毎月、毎週、その季節の花に会うたびに思う、「もう一年経ってしまった...」
そして同じように咲く花の写真を撮るたびに、毎年少しづつ違う自分に出会う。
ゆったり、たっぷりしたこの木を見ていると、もっとおおらかに生きたいと思う。