パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

山吹の匂い 万葉集 Kerria japonica

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山吹の にほへる妹が はねず色の 赤裳の姿 夢に見えつつ

 

意:山吹のように美しいあの娘のはねず色の赤裳(も)の姿が夢にでてきました。

 

 

ヤマブキは黄色の花であるが、歌のなかの「はねず色」は薄紅色のこと。
歌の中の二つの色の対比が鮮やかで春らしい。


ちなみに「裳」というのは十二単(じゅうにひとえ)の後ろにトレーンのように引きずる衣装部分である。

 

ヤマブキは本来、香りのある花ではないが、この「におへる」というのは美しいという意味であるし、色の表現としての「匂う」ともいえる。

 

卯の花の匂う垣根に」で始まる歌があるが、やはり卯の花は匂いがない。
その白さを匂うように美しいと表現したものである。

 

 

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一重の山吹、八重の山吹。
小判のことを山吹色のお宝というが、まさに黄金のような鮮やかな黄色である。

 

 

 

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たんぽぽの中をトコトコ歩く、小鳥たちの春の遠足。

 

 

 

 

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