いまこの記憶をボトリングして秘密箱にしまい、あとでときどきそっとふたを開け、思い出を味わってみたい・・・。若い頃、そんな風に思っていたものです。
原点はそんなところにあるのかもしれません。
「パルファンサトリ ミニコレクション12」は、気持ちが明るくなるようなものが作りたくて、去年の夏に手がけはじめたものです。
12の香りを作品の中から選び、調整したりはもちろん大変でしたが、パッケージやボトルも楽しい感じを出したいな~とあれこれ考えて・・・。
上は色とりどりのラベルで飾るため、カラーチップで色合わせをしているところの写真です。
隣り合う色が微妙に似合わなかったりして、ぐるぐると何周も貼り替えたりしました。
ようやく皆様にご紹介できて、ほっとしています。
こうしてみると、楽しい作業だったなあと懐かしく思います。
目まぐるしく変わっていく世の中、前へ前へと進みつづけて、私たちはたくさんのものを捨ててきたように思います。
日本には四季のめりはりがあり、私たちは自然に親しんできました。
また、歳時記にはさまざまな香りが伴い、それが今の思い出につながっています。
春の沈丁花、秋のキンモクセイは、季節を告げるなじみの香りでした。
お盆に焚く「おがら」の匂いは親戚が集まったにぎわいを、新しい畳のい草の匂いを嗅ぐと、子供の頃にお座敷でゴロゴロした懐かしい思い出が蘇ります。
でも、最近では年中行事がなくなって、家庭にも街にも匂いが少なくなってしまったように思います。
そんな中、『香水をつけて子供と一緒に布団に入ると、「ママいいにおい」と言われるんです。』
そうお知らせくださったお客様がいらっしゃいました。
調香師冥利に尽きる瞬間です。
「パルファンサトリ ミニコレクション12」は、香水(パルファン・エキストレ)です。
日本の感性にやさしくなじむ香りを選びました。
懐かしさとともにほっとしていただけたら・・・。そして、身につけている香水が、恋人や家族、お子さんにとって思い出となる香りになったら。。。
そんな願いを込めて作りました。
どうぞこれからもよろしくお願いします。
※こちらの商品は販売を終了致しました。