パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

11月15日、七五三のお茶

 

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今朝は母のお手前をちょっとのぞいて、横からお薄を一服(杯)頂戴する。

 

朝の「続きお薄」は、いつもは母ひとりで二椀飲むので量は少なめ。

 

私は食事前なので、大服(たっぷりの一杯)だと胸やけしてしまうが、少量ならばかえっておなかもシャキッとしてちょうどよい。

今日はこの前と違う茶碗を使っているなと思ったら、七五三にちなんだ柄だった。

 

東郷神社の中にある「陶芸クラブ」で、昔、焼いたのだという。

胴体に「五」の字が書いてあり、
お茶を飲みきると、中から「七」の字が出てくる。

 

懐紙で底に残った飲み残しを拭き、裏に返すと「三」が。

 

 

本家は「織田家」「豊臣家」「徳川家」の紋をこのように配置してある茶碗をヒントにして絵付けしてみたのだそうだ。

 

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誰に見せるわけでもなく、ひとりで続ける母の毎朝の行事。


時代もの、名物ではないが、歳時記にちなんだ手作りの素朴な茶碗を使い、こんな風に季節を楽しみながらお茶を続けるのは、なかなか風雅だと思う。

 

 

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ちょこっとなんか飾ってある。

「ねえこれ何?香合のつもり?」

可愛いシールを見つけたので、たまたまあった木の箱に貼ってみたんだそうだ。
とくに何に使うという目的はないらしい。

へええー。

自分のために、こんなこと思いつくなんてすっごく面白いな。
母親ってなんかすごい。

と思った。

 

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