パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

Satori のお気に入り

おもしろみ。

花びらが複雑な動きをして落ちてくる。 手でつかむ。 手を開くとまた風に飛んでいく。 花びらがほしいわけではなく、「動きを捕まえてみる」と言うことが面白いのであって、つかんだものはまた離してやる。 でなければ次の花びらを捕まえることはできない。 …

9月4日、クシの日。祖母の櫛  comb

9月4日、今日は櫛の日(くしのひ)。インスタグラム「毎朝の一服」から思いついて父方の祖母の形見の櫛 を出してみました。私ははまぐりの螺鈿 (らでん)が気に入って、お茶会によく挿して行ったものですが、髪をショートにしてから出番がなくなりました。…

スケルトンの腕時計 VAN CLEEF & ARPELS Watch

> 私がいま持っている腕時計はみなゼンマイで動いています。 時計の美しさは機能美です。その最も大切な部分を見せたのがスケルトン。この時計は表だけでなく、シースルーバックになっています。 時計マニア、というほどではありませんが、小さいころから歯…

最後の香り Heaven Note

何かの折に、「枯れた草の混ざった芝生のような、青臭さとひなびた匂い」が一瞬よぎる。まったく脈絡(みゃくらく)なく、それは小学5年生の、夏の臨海(りんかい)学校の一場面を思い起こさせた。『枕をかかえて広い座敷の畳(たたみ)に寝転ぶと、ショート…

シクラメンの香り 卒業 Cyclamen persicum

昨年4月からアトリエにインターンで来てくれていた大工原さんと高橋さんの二人がこの3月、日本工学院蒲田専門学校を卒業しました。就職も決まってパルファンサトリのお仕事も3月で卒業です!

すみれの刺繍カード violet mandshurica_1

あるひ、お客様から一枚の葉書が届きました。アトリエの私の机の上に乗っていたそのカードにはスミレの絵が描いてあります。何気なく手に取ってよく見ると、それは絵ではなく刺繍(ししゅう)です!

スイスレースの白いハンカチ‗handkerchief

スイス、チューリッヒの空港でスイスレースのハンカチーフをお土産に購入しました。昔から白地に白のレエスとか、白地に白の刺繍入りも好みで、『でも和光のショーケースに並ぶ、繊細なスイスレースのハンカチーフにうっとりとみとれつつ、お値段にため息を…

木綿のハンカチーフ handkerchief

「木綿のハンカチーフ」こんなお題の名曲があったが、その話ではない。ハンカチは白がいい。それも、メンズの大きめのハンカチが好きである。織り模様はあまり凝っていないものがよい。次に、白地に白のレエスとか、白地に白の刺繍入りも好みである。若いこ…

古い腕時計 ROLEX watch

1.5センチ角くらいの、古い腕時計である。小ぶりのケースで、龍頭(りゅうず)と尾錠(びじょう)にクラウンのマークが入っていてとても可愛らしい。 ひと昔前は、ロレックスはメンズというイメージがあったが、これはクラッシックな雰囲気のあるレディスウ…

秤(はかり)と分銅(ふんどう)weight

見た目はチェスの駒(こま)、ルークみたい。アンティークショップを覗(のぞ)いていて見つけた真鍮(しんちゅう)製の塊(かたまり)。デスクの上のペーパーウェイトになり、手のひらにすっぽり入りそうな。。。雰囲気のあるものをずっと探していた。お店…

昭和の夏 Showa

それは夏の暑い日、小学校から帰宅する電車内のできごとである。吉祥寺と渋谷を結ぶ、私鉄・井の頭線のその時間はまだ混んでおらず、立つ人もまばら。古い車両の天井には、扇風機がハタハタと回っていた。何度目かの駅で、ドアから白い蝶がふわりと迷い込ん…

空蟬(うつせみ) ecdysis of a cicada

7月上旬、通勤途中の道路に脱皮したばかりの蝉(セミ)を発見する。歩道と車道を隔てるように並んだ、コンクリートの円柱の途中にしがみついていた。まだ羽の脈が淡い緑色をしていて、ゆうべ生まれたばかりのようだ。目が黒々としてあどけなく見えるのは、か…

Mizunara-ミズナラ- 樹木鉛筆

アトリエの大きなテーブルにいつも出しておくペンが壊れてしまったので、代わりの筆記具を何にしようか、お茶の時間にみんなで考えていた。お客様がいらしたときに、安っぽいペンを使っていただくのは嫌だね、とかいいながら「鉛筆はどうだろう」という話に…

懐かしのタイプライター typewriter

「赤いバケツのオリベッティ」そんなキャッチフレーズが蘇(よみがえ)る。タイプライターの形の、これはロール型のメモ帳入れなのである。アトリエの近く、「六本木AXIS(アクシス)ビル」の1、2階には素敵な輸入インテリア雑貨のお店がある。そこで見つけて…

花まつり 休日の銀座にて Buddha's Birthday

母の使いで、銀座に来ています。和光に時計を預けて待つ間、銀座鳩居堂(きゅうきょどう)にお線香を買いにきました。お店の前にお釈迦様が鎮座(ちんざ)されていたので、甘茶をかけてお祈りしました。今日はここへ来る前にも、近所のお寺を通りかかり、そ…

雛まつり Hina-matsuri Girl's day③宴(うたげ)の後

官女A「あー、やれやれ、くたびれた。髪ボサボサで、セットにも行きたいわ~」 官女B「どうせもう人に見られることもないんだし、来年のお出ましにはどうせ寝ぐせがついちゃうわよ」 宴の後、また一年の眠りにつく雛人形 たち。楽屋で笑いさざめきながら従者…

ひな祭りHina-matsuri Girl's day②

これは三上戸(さんじょうご)の、泣き上戸君。そのほかに、笑い上戸、怒り上戸くんがいる。小さいころ兄にいじめられて泣くと「やーい、泣き上戸め~」とからかわれたものである。三人官女は、お姫様のお輿入れ(こしいれ)に随行してきたお付きの女官。後宮…

ひな祭りHina-matsuri Girl's day

昨年引っ越した新しいアトリエにお雛さまを飾った。2年ぶりである。子供の頃は母親が飾ってくれたものだけれども、自分で並べるようになるとつい出しそびれてしまう。2月が短いこともあり、ひな祭りは3月に入ってすぐであって、気が付いたときにはあまり日が…

海と空と星 The Arecibo message

私はたった一人孤島にいて、いつくるかわからない船を待ち、ガラス瓶に手紙を詰め海の遠くに投げている。それはアレシボメッセージ。何万光年の向こう、もし誰かが見つけた時はもうこの島はない。本当は誰だって、感じやすく繊細なこころを持っているのに、…

椅子の張替え 渋谷 DIY

年末の30日、ミッドタウンで知人とランチ中に急にアトリエの椅子の張り替えを思い立つ。渋谷のTOAが近いのではと教えて貰い、今日までやっているらしいということで、六本木から渋谷行きの都バスに乗って布地を買いに行った。2020年のオリンピックを目標に、…

サザンカ 山茶花 Camellia sasanqua

夜道につづく常緑の生け垣は、暗い葉の海。山茶花(さざんか)の花が、白い波頭のように次々と、ぼんやりと浮かんでいる。思い思いの、いくつもの表情で。かたくななつぼみ、横顔、または蕊(しべ)もあらわに。足を止め、その頤(おとがい)に手をかけて、…

ルドゥテのサロンにて Redoute des bijoux

ここは代官山から恵比寿の途中に隠れ家のようにあるジュエリーサロン 'ルドゥテ'。夜半から続く雨も午後にはきれいに晴れ上がり、サロンの中は明るい光に満ちています。この日のイベントでは、お越し下さったお客様に、香りの魅力や香水の付け方をご提案させ…

四季 冬 ginco

錦秋(きんしゅう)もやがて枯れはてぬ かさこそと足元に吹き寄せる落ち葉に 侘しさをつのらせる庵(いおり)の冬よ 寒さに凍え縁(ふち)より黄金色(こがね)に染まる銀杏の葉 末広のかなめの緑(みどり)に枝の未練か うち伏して地に哭(こく)するもひそとして答…

ユグドラシルYggdrasill

私は浴槽の中で一所懸命、思い出そうとしていた。私の大切な人の「名前」を。その人は実在するとは言えず、象徴的な名前であらわされるべきで、それは何か特別な言葉でなければならない。5つか6つのカタカナのその名前は、あの小説の中ででてくる・・・そ…

星の王子さまとバオバブモドキ②, la petit prince

「星の王子さま(la petit prince)」は、たぶん、みんな小さい頃に一度は読んで、そして忘れてしまっただろう物語。砂漠の真ん中に不時着したパイロットと王子さまの出会いは「ねえ、羊の絵を描いてくれない?」で始まる。パイロットの書いた羊は、箱の中に…

エレベーター、そして残り香 Sillage

夜、住まいについてエレベーターに乗ると、ほのかに香水の残り香が漂っていた。男性用だ。今風だけど安っぽくない。温かみのある、乾いたウッディバルサムが残っている。もう消えてしまったトップは、多分シャープなハーバルとマリン。「どんな人がつけてい…

幸せの青い鳥 L'Oiseau bleu

あなたが欲しいものは心でしょうか、形でしょうか。両方を得ようとしても得られませんよ。形だけを得ても、心は手に入らぬものです。心があれば形は自(おの)ずとついてくるでしょう。「幸せの青い鳥」を探し求めて、最後は自分の家に見つけるという寓話は…

9月の感傷 sentimental September

雨が樋(とい)を伝って、あふれた水が地面を叩いている。これが夢の中で聞いているのだということは、妙にわかっているのだ。その遠い音がリズムとなって、やがて近くにやってくる。「トトトン、トトトン、トトトトト・・・・」三三七拍子(さんさんななび…

終戦の日 8月15日 (end-of-war memorial day)

91歳の母が裁縫をしながら、何とはなしに話題が戦争中のことになったので、忘れないように書き留めておく気持ちになった。母は昭和19年に薬専(現在の薬科大学)に入学した。「20年、3月10日の東京大空襲のときは、東京目黒の五本木の学生寮にいた。東の空…

麻の白いカーテン② 南仏便り LINEN MADURA CANNES

と、いうことで昨日からの続き。6月、南仏カンヌにあるインテリアショップ、MADURA(マドゥラ)で白いLINEN(亜麻)100%のカーテンを買った。カーテン6枚の合計は15メートル×2.6メートル、6パック。ビニールのパッケージも中の台紙もすべてはずしてコンパク…

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