パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

・日々のつれづれ

道草 side trip

今日、たった今、この時間のこの角度の光。 明日の朝にもう一度ここに来ても、同じ像を瞳の奥に結ばない。24時間のうちに木の枝は成長し、葉は開き、陽の高さも、私も変わっていて、過ぎ去ってしまったものには二度と会えず、今日は永遠に来ない。それを知っ…

河の流れ 花 Houjouki

ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。 方丈記 河の水の流れは絶える事がなく流れ続ける。しかしながら、そこにあるのはもとの水ではない。 無常感と普遍性は対…

かんざし 簪 KANZASHI

櫛やかんざし(簪)は、重いと髪から抜けてしまう。 そのため、べっこうや漆などの素材のものが多い。金属ではせいぜいシルバーの重さまでが普通だろう。 でもやはり、こういうちゃんとした宝飾品のかんざしも持っていたいもの。18金やプラチナを使ったもの…

東京アメリカンクラブ TOKYO AMERICAN CLUB

初めて東京アメリカンクラブへ行ったのは小学生の夏休みだ。昭和40年代の、古い建物。 ミセス・クラタという母の友達に、たびたびプールに連れて行ってもらったものである。一緒に歩いているとみんなが振り返るような、とてもきれいな人だった。ハーフのクラ…

コサギ Little Egret

風が羽毛を逆立てる。 コサギは橋の上から、半ば凍った池の中に降りた。片脚をゆっくりとあげ静止したかと思うと一歩、立ち止まってまた一歩と進む。 時折り長いくちばしを器用に使って、水中の何かを食べている。 水の中に入れた足先が細かく震えているよう…

影 Shadow

冬が渇いてひび割れて めくれ上がった表皮の下に 春が隠れているのだもの 見えているのは影法師

クッキークリスマス! Icing Cookie,Santa,Christmas,

なんてかわいいアイシングクッキーでしょう !青山にあるSweet Holicスイートホリックのハンドメイドクッキー。 パルファンサトリでフレグランスデザインを学ぶ千絵美さんは、faire un calin フェール アン カランというブランドを持つ、フラワーアレンジの…

クリスマス・イブのイブ Noel

仕事の途中で用事があり、デパ地下に行ったら食品売り場はクリスマス一色、大変な人ごみと熱気である。 今日はシチューの予定で昨日から用意していたにもかかわらず、飾りつけやクリスマスソング、売り場のムードになんとなくウキウキ。ついふらふらと余計な…

鳩の行水 Columba livia Gmelin

この寒い日に!鳩の行水。 このせせらぎの中に椎(しい)の実が落ちている様子。地面の上をあらかた食べてしまい、水の中にまで降りてついばんでいる。 冬に向けての大切な栄養源である。 今の日本人は恵まれて、この文字通り「ハングリー」精神がないから、…

対戦型有機合成ゲーム「遊機王」ベンゼンちゃんbenzene

ツイッターでオトモダチになった paritoperi さんのツイートを読んでいたら、こんなかわいいカードゲームを作っていることがわかった。 対戦型有機合成ゲーム「遊機王」である。ベンゼンちゃんが活躍してさまざまな物質に変化する、その分子量の大きさを争う…

バッグの中身

毎日持って歩くハンドバッグがあんまり重いから、いったい何のせいなのか量ってみた。 カギ 84g サイフ 346g 手帳 258g ケータイ 121g 名刺入れ 42g メガネとケース 80g ペン 28g 口紅 22g ティッシュ・ハンカチ・手袋 70g こまごました物の入った…

広尾の庚申塔(こうしんとう)

人は罪深いものであって、悪いことをしない人というのはいない。しかし罪悪感というのがあるので、悪事をした後はみな悔いたり怖れたりしながら生きていたのだろう。 この庚申伝説、自分の悪事を夜中に報告する虫が体内にいるという発想には、どことなくおか…

森の香り forest

まだ梅雨が始まる前の、夏の気配だけがする、爽やかな5月の朝。 森を歩いているとさまざまな匂いが混じり合って降ってくる。 それはシイの巨木に咲いた細かい地味な花であり、葉から揮散する緑の香りだったり、わきあがる土の中の微生物の匂いであったりする…

はないかだ 花筏  HANAIKADA

毎年春になって桜が咲いて散って・・・。うたかた、花筏は時の流れを感じさせる。 新宿御苑の日本庭園、橋の欄干にもたれ、感傷に浸って眺めていると、水面にいくつもの輪ができている。

旅立ち バイト君 farewell party

バイトT君の最後の出勤日、一緒に仕事をしてきたお姉さん方が囲むささやかな送別会。 20歳で来たT君は、ここの仕事を卒業し4月から新社会人となる。初め来た時は頼りない感じだったが、2年たって仕事も覚えなかなか役に立った。

雨水なれど霜柱 shimobashira

雨水(うすい)、とは二十四節気の第2。 空から降るものが雪から雨に変わり、氷が溶けて水になる、という意味。 立春から数えて15日目なので、寒さも峠を越えたという暦の感じなのだがまだまだ寒い。むしろこれから大雪が降ったりして、一山も二山もありそう…

筆まめ夫人  Calligraphy

今日、マダムSとお茶の時間に書道の話になった。 「私、書道習いたいわー。」「最近若い人の間で流行っているみたいね」「やっぱり字が下手だと恥ずかしいもんね!」「先日お知り合いのお嬢さんからお手紙いただいたけど、とってもきれいな字だから返事が書…

赤いほっぺのりんごちゃん Ringo-chan

11月になって、本当に寒くなってきた。 「りんごちゃん」幼稚園の頃、そう呼ばれていた。 なぜかといえば、冬になると私のほっぺたは赤くなったからだ。

ハロウィン Halloween

ハロウィンなんて、私の子供時代にはやら無かったぞ。カボチャと言えば冬至に食べるものと決まってたし。 仮装したり、「Trick or treat!」とドアを叩いてお菓子をもらって回れるなんて、子供たちには楽しいイベントだ。でも、日本ではもっぱら大人が盛り上…

植物界の契約/kingdom Plantae ②

植物は、ただ奪うことはしない。対価を支払い、報酬を与える。 ある時は、昆虫に蜜を提供することによって、花粉を媒介してもらい、 またあるときは鳥たちに果実を与え、甘い果肉に種子を潜ませる。鳥はしらず、植物の繁栄に貢献しているのだ。 それは「あな…

秋は夕暮れ  Makura no sōshi

秋は夕暮れ。9月も半ばを過ぎたころから、夕闇がはやく降りてくるようになった。10月、机に向かって夢中になっていると、陽が落ちるのに気がつかないうちにうっかり暗くなっていたりする。

日暮れて道遠し Night has fallen, but・・・

「日暮れて道遠し」 年をとってなお、まだ人生の目的が達成できていない・・・。 やらねばならない仕事がたくさんあるのに一向に仕事がはかどらない・・・。

走馬灯(そうまとう) a revolving lantern

小学生の夏休みの宿題に、確かに「走馬灯(そうまとう)を作る工作をしたと思う。したというか、試みたといったほうが正しい。 なぜかというと、完成しなかったんじゃないかと。 たぶん、それなりのキットのようなものだっただろうし、ろうそくの火は母親に…

神宮外苑花火大会2012/fireworks Gingu-gaien

ライトアップされた東京タワーをバックにした、神宮外苑の花火大会、2012。 「夕方6時半にきてちょうだいね」そう言われてアトリエを出た時はまだ空は明るい。 ==== 花火が始まるまであと1時間。そのころには真っ暗になるのかあ・・・。やっぱり秋めいてきた…

夏の夕暮れ バラ色の雲 Nuage rose

この時期の東京、いつもきれいな夕焼けが見られる。夏は湿度が高く、空気に水分が多いため、赤みが強くなるらしい。 昼間の熱気が残って風が暑い。

雨と台風  typhoon

今夜は台風。ごうごうと轟(とどろ)く風の音がすごいし、ちょっと不安な夜を過ごしている。低気圧のせいで体がだるい感じがする・・・。とか言って、早く帰宅してしまった。

あめんぼ water strider

今日はまだ雨が降っていないと思って出かけてきたが、池の水面にポツポツと波紋が落ちている。 「傘、持ってこなかったなあ・・」 高い木の森を抜けて、池のほとりに立ってみると雨が降っているわけでもなさそうだ。よく見ると、そこにはアメンボがたくさん。

山王祭 御神輿  The Sanno Festival

昨日の雨がからりと晴れて、梅雨の合間に響くおはやしの音。家のベランダから通りの方をうかがうと、どうも御神輿や山車が出ている模様だ。 そこでサンダルをつっかけて物見に行ってみた。

ふいうち メトロにて metro

今夜は赤坂で待ち合わせがあって、仕事を早く切り上げた。 原宿で乗り換え、東京メトロ千代田線の表参道駅、改札に向かう階段を下りる途中の出来事。 「おい、さとり!さとり!」 と呼ばれて振り向くと、高校・大学時代と一緒だった同級生がエスカレーターで…

春の駆け引き

優しくするから 気を許したら また突き放されて 冷たくされて

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