パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

・日々のつれづれ

彼女の香水遍歴 For Her

香水遍歴 どんな香水が好き?どんな香りをつけてきた?香水の質問ってある? そんな問いに答えてくれたのは、私の幼馴染(おさななじみ)。こんな風に香水と付き合ってきたってことが、とてもすてきなこと思えた。 人に読ませるために書いたものではないので…

旧岩崎邸庭園 iwasaki-tei teien

この日、池の端(いけのはた)に用事があった帰り、湯島(ゆしま)近辺をぶらっと歩いていたら、旧岩崎邸庭園の道標(どうひょう)に行き当たった。 前から一度行ってみたいと思っていたので、偶然に誘われるように寄ってみることにした。 坂道を上がると、…

御苑の紅葉 autumn color

山ではとっくに紅葉が終わっているそうだが、里はまだまだ暖かく、秋から冬の装いが遅い。 年々遅くなっているような気もして板が。。。、 ようやく朝晩の冷え込みで色づいてきた新宿御苑の紅葉。 桜の木などというものは、ただ枯れ葉になって落ちていくだけ…

街の紅葉 autumn color

明け方の雨がやんで、少ししっとりとした歩道の、濡れた敷き石が黒くなった上に、あかやきいろの落ち葉が散っているのに、朝陽が射して、心が澄んでくる一日の始まり。 はずむ、足どり。 赤くなった「かえでもみじ」を山まで見に行かなくても、映す鏡が磨い…

広い意味で「庭をつくる」epanouir(エパヌイール)

自分は勉強するのが好き。 だけど人が学んで、成長する姿が好きだし、その瞬間に立ち会うのはもっと嬉しい。 学んでいる人が何かを発見した喜びに、明るく輝く表情が、私をも照らす。 epanouir(エパヌイール)。 輝く、花ひらく、表情が晴れ晴れとした。

足す力、引く技術 adding and subtracting

デザインでも、余分なものをそぎ落としていって残ったものがシンプルで美しい。 しかし、それが言えるのは足して足して、てんこ盛りにした経験があってこそ。 やっぱり、子供のころは、よりデコラティブでゴージャスなものに魅(ひ)かれたもの。 勢いのある…

消えていく昭和の道具とか死語とか① SHOWA

香水の歴史の授業などで、たとえ話などしているときに、または話が脱線した時に、ふと、今の若い人はこの言葉を理解できるかしら?と思うことがよくある。 すでに道具自体が世の中に存在していなかったりすると、そのものから説明しなければならず、まわりく…

スタイルを磨く Style

今あるもの、誰かのスタイルをまねするとかじゃなくて、自分で考え出してそれを形にしていくって言うのは、ただ、技術だけ磨いてもダメなんだ。 何か楽しくて、面白くて、こうしたいとか、どうだろうか、とか、そういう気持ちがなければ、湧いてこない。 そ…

プラタナスの木の下で under the Platanus trees

プラタナスの下に立って目をつぶると、 風の音が、 私をアルディッシュに連れて行ってくれる。 真の闇の中で、 朝まで夢を見ないで眠りたい。 Standing under the Platanus trees with my eyes closed, the sound of the wind takes me to Ardèche. I want t…

落ち葉の匂い ジオスミン (ゲオスミン) geosmin

雨の後の雑木林で、落ち葉を踏んで歩くと、湿った土の匂いがする。立ちのぼったアーシーな香りが、足跡とともに追いかけてくる。 雨上がりの木立ちは、樹木の呼吸も一緒になっているからかな? 思わず深呼吸したくなる。 立ち止まり、ふわふわ積み重なった腐…

スッポン 鼈 Soft-shelled turtle

スッポンが伸びている。 暑くて疲れちゃったのかなあ。 7月はフランスに行って致し、8月はあまりにも暑すぎて外へ出られなかったから、本当に久しぶりにきた新宿御苑。 あまり花のない季節だけれど、ひととおり巡回をしようと歩いていたところ、スッポンに会…

言葉について考えてみた Pegomasにて

哀しみの陰に情緒がやどり、情操が育つ。 日本は情緒の国である。日本の特別な言葉の中で、日本の情操が育つ。 言葉は服のようなものだから 、人と関わるのであれば裸ではいられない。 言葉を飾るなと言うけれど、それは自分の感じたことや、言いたいことと…

ウサギとカメ The Tortoise and the Hare

ちょっと見リアルな人形なので、写真を見て本物だと思った人もいるようだ。 これは昨年の夏、グラースの香料植物園で買ったカメの置物。 ラボにおいて帰ったら、ちゃんと今年も飾ってくれていた。 私がスローだというのは自覚しているが、人に言われてはちと…

亀と松 KAME&MATSU

君来ずは 形見にせむと 我がふたり 植えし松ノ木 君を待ち出でむ 柿本人麻呂歌集 私待つわ、いつまでも待つわ。 あなたと一緒に植えたこの松の木の下で。 いいの、トロくたって、だって私、カメだもの。

ホテルオークラのマッチ 燐寸 MATCH

いまどきマッチなんて珍しい! ホテルオークラのレストランで素敵なマッチを頂いた。 昔はどこのカフェにも食堂にも、お店のマッチが置かれていたものだ。 いまは、多くの人がタバコをやめてしまったし、マッチの出番は仏壇に置くくらいだろう。 事実、母も…

毛糸の帽子 2作目 KNIT

正月に2日間で手編みの帽子を編み上げたのに気をよくし、2作目に挑戦しようと思ったのが1月の7日。 1作目はケーブル編みだったので、こんどは編みこみにしようと思ったのだが・・・。 仕事が始まって見ると忙しくて忙しくて、 当然ながらちっとも手が進まな…

雨上がり after the rain

昨日までの冷たい雨が去って、今朝はふっくらと空気がやわらかい。 思わず弾む足取り。 林の木々には無数の光の粒がキラキラ。 雫(しずく)に寄ると、木全体が水滴で覆われているのが見えないし、引いてしまうとキラキラが失われてしまう。 林の中の感動を…

あと10歳若かったら・・・。

いくつになっても思う。 あと10歳若かったらなあ・・・。 しかも、今の経験と知識を持ったまま。 うーん、 でも日本人全体を見れば、私の子供の頃よりも平均寿命は長くなっているし、昔の同世代より見た目がずっと若い。 だから、そう考えると肉体年齢に比べ、…

昭和の編み物 鈎針のパッチワーク

これは、昭和の編み物、母が鉤針で編んだパッチワークである。 なんと、私の生まれる前からあった。 もう、作ってから半世紀以上経っているわけである。 これは兄たちのセーターや、いろいろな残り糸を使って少しずつ編みためたもの。 戦後、物のない時代だ…

カシミアを編む④ ケーブル編のニット帽 Cashmere 100

ついに帽子が出来上がった。 なんとか正月休み中に間に合った! うれしー!! 途中で、2目ゴム編は2号で編んで、縄編みのところから4号で編むと気が付いたのだが、もう時は遅し。 ほどくのも嫌だから、そのまま編んでしまった。 ゴム編みを4号で編んだため、…

カシミアを編む③ ケーブル編のニット帽 Cashmere 100

カシミアを編む②・・・からのつづき。ようやく、長いゴム編の段が終わり、なわ編みが始まるところまで来た! うれしー!! 編み物って、この、徐々にできてくるところが楽しいんだよね。 このプロセスがいいのであるが、しかし、私はとにかくせっかちなので…

カシミアを編む② ケーブル編のニット帽 Cashmere 100

昨日からのつづきであるが、 2014年の大晦日、家に帰って片付けもそぞろに、軽食を取って早速、毛糸を袋から取り出す。 イタリア製のカシミア100だけど、まあまあ。というか、お店ではこれしか選択肢がなかったので。 編み物の本を開くも、おおよそのところ…

カシミアを編む① ケーブル編のニット帽 Cashmere 100

編み物がしたくなった。テレビを見ていたら、そんなシーンがあって、10年ぶりに毛糸だまを触ってみたくなったのだ。 そういや今年はひつじ年だあ!(≧▽≦)bしかしただでさえ、やることがたくさんあるというのに...。(*´Д`) あれも、これも、やらなければなら…

凍る朝 frosty morning 2 霜柱

シモバシラ、長い、大きい霜柱。 冬のまだ暗い朝、一度目が覚めて、暖かい布団の中でひとしきり考える。 もう起きようかな・・・。もうちょっとぐずぐずしていようかな・・・。 今起きれば、ひと仕事した後で新宿御苑の開園時間に駆けつけて、小一時間は歩ける…

凍る朝  frosty morning

暑い夏が終わり、それほど寒くならないまま秋が過ぎて、ようやく冬らしい寒さになった。 朝起きて、キッチンでお湯を沸かし、半覚醒の頭を熱い紅茶ですっきりさせる。 「冬はつとめて」と書いたのは清少納言。 早朝の厳しい寒さ、急いで炭火を熾す様子が思い…

皆既月食_08_Oct_2014_lunar eclipse

皆既月食_08_Oct_2014。lunar eclipse。 アトリエで仕事をしていたら「サトリちゃん今、月食が始まったよ」と電話があった。カメラ片手にベランダに突進。 東向きの11階、明治通りをはさんで向かいのビルの右肩に、ぽっかり浮かんだ満月が欠け始めている。19…

美しい世代 ニュアージュローズ Nuage Rose

今振り返ると、どの年代もとても大変だったのだ。 30半ばのとき、10歳上の人に「40才になったらずっと気持ちが違ってくる」といわれ、 40半ばのときも、年上の女性に「50代っていいものよ」と諭された。 つまり、世代が上がるほどよくなっていくということ。…

いずれゆく彼の岸にて待て君

もっとも多感な時期を共に過ごした友人が去って一年。 通夜、告別式、四十九日とのいくつもの儀式を経て、少しずつ心の整理がついていくのだろう。 あの日と同じ秋晴れの一周忌にて、境内から墓地に向かえば、やはりあの日のように金木犀の香りが漂っている…

ヒュミディテ Humidité

ときに、遠く内陸まで届く海の匂い。満潮と低気圧で、海水が川をさかのぼって来るのだろうか。 エレベーターを待つテラスから、重い雲の連なりが見える。 または夏の終わりの夕方。 激しい雨が落ちてきたかと思うと突然にやんで、濃密な夜が来る。 湿度。 ア…

幸せになりたい!

誰だって、幸せになりたいし、なった方がいい。 でも「幸せにならなくては」と焦ったら、幸せが足りないと思う分、苦しくなる。 みんなが「もっともっと」と幸せを求めたら、幸せの競争になってしまう。 そしたら、幸せじゃないね。 本当の早道は、今の幸せ…

Copyright © PARFUM SATORI All Rights Reserved.