パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

・夏の花・植物

Seringat スランガ バイカウツギ Philadelphus

MOUAN SARTOUXの植物園「Les Jardins du MIP」でこの花を見たときに、とても知っている気がしたのだけど、あんまりにも強い匂いだったので、なんだか思いつかなかった。 フランス語の名はSeringat(スランガ)。 花の蕊はちょっと見るとバラ科のようにも見え…

南仏の花 ラベンダーフレンチ Lavender

フレンチラベンダー 咲いたばかりのハイビスカス、 花弁が厚く艶があり、まるでビニールでできているみたい。 夜につぼんで、朝開く、を繰り返している。 ランタナ? アガパンサスのつぼみ。 なんだろう。マメ科の花であることは間違いない。

チュベローズ Polianthes tuberosa

植物名 チュベローズ学 名 polianthes tuberosa L. 和 名 月下香(ゲッカコウ) 分 類 リュウゼツラン科 チューベローズ属 説 明 物物学的には全くローズとは無関係で、リュウゼツラン亜科の球根草花である。 香りについて 甘く濃厚な、肉厚の白い花の香り。…

テントウムシとスズラン lady beetle & Muguet

テントウムシは特徴的な柄で、愛嬌(あいきょう)がある。 小学生の頃のクラスメイトは、シールや、文房具のモチーフとしてひとつやふたつは持っていたような気がする。 テントウムシのサンバが流行ったのは中学生くらい? 「赤、青、黄色の衣装を着けた、テ…

朴(ホオ)の木の花 Magnolia obovata thunb

大きな朴の木(ホオノキ)の花。 花の王様である。 毎年ゴールデンウィークあたりに決まって満開になる。 1~2輪咲いているだけで、甘くフルーティな香りが漂ってくる。 満開の時期には、20センチもある巨大な花が、一つの樹に100輪は咲くのではないか。圧倒…

ブルーベル スパニッシュ Hyacinthoides hispanica

ブルーベル、これはイングリッシュ種ではなくスパニッシュ種だと思う。 イングリッシュブルーベルは、強いハニーグリーンノートだが、スパニッシュの方が弱い。 ブルーベルはヒヤシンスやツルボの仲間だから、同じような青臭いハニーグリーンなのは理解でき…

ムラサキケマン紫華鬘 Corydalis incisa Spring ephemeral

この時期、森に可憐な花を咲かせる、ムラサキケマン(紫華鬘)は春の妖精、スプリングエフェメラル。 ここは新宿御苑、落羽松(らくうしょう)の森。 落葉樹林の下草(したくさ)として、スプリングエフェメラルは背の低い、しかし比較的華やかな花を咲かせ…

ホリホック?アブチロン?Malvaceae?

槿(ムクゲ)のことを書いていて、アオイ科の植物をいろいろと載せてみようかな。 そういえば・・・、昔グラースで撮った写真の中にもあったなあ。 たくさんの写真の中から見つけてみると、紫のこれである。 ウスベニアオイかゼニアオイか何かの変種かな、と思…

ムクゲ,槿花 Hibiscus syriacus

ハイビスカスの仲間というと、身も蓋もない気がする。「槿花一朝の夢(きんかいっちょうのゆめ)」というように、儚(はかなさ)が身上だもの。 「粋(いき)」とは、上品と下品の境界に淡く存在する。 その境界は、人の心と時代によって動き、狭まり、また…

カジノキ② 梶の葉のお手前 Broussonetia papyrifera

木の名札を読んで「カジノキ」とあった時、ふとこの葉を使った手前(てまえ)を思いだした。 梶の木の葉は、切れこみが無く卵形のこともあるし、葉が裂けて3つになったり、かしわもちを包む葉の様に5つに分かれることもある。 このカジノキの大きな葉は、茶…

センニンソウ 仙人草 Clematis terniflora

これはどうみてもセンニンソウ,仙人草。 白い小さなクレマチスだが、日本のものだと思っていた。 南仏の山で見るとは思わなかった。 白い、雪のようなブッシュ。 蘂が特別長い。 これは、新宿御苑のセンニンソウ。 ちょっと趣が違うかな。

ナンバンギセル 南蛮煙管 Aeginetia indica L

ナンバンギセル。 ススキの根に寄生して生えてくる小さな植物。 昨年は時期が外れたのか見ることができなかった。 やや萎(しな)びて見えるのは、今年は暑かったせいだろうか、それとも時期が遅かったせいか。 思いのほかわさわさと生えている。 そして、3…

ガーデニア,クチナシ,Gardenia jasminoides,

クチナシについては、今まで花から香りから、何度も書いているので目新しいことも無いのだが、 やっぱりキレイだなと思うと写真を撮ってしまうし、撮ったら載せたくなってしまう。 これは八重のくちなし、白い肉厚のいい香りのする花。 中心の花びらの重なり…

ギボウシ,白い花 plantain lily

ギボウシの白い花。 見た目は百合のようだが、花のつき方と葉が違う。 葉の緑がすずやかな、夏の花。春には、「うるい」という山菜として葉を食する。ちょっとぬるぬるする。 日陰に咲く地味な印象の花だと思っていた。 ヨーロッパへシーボルトが持ち帰って…

水生植物,アサザ,浅沙,Nymphoides peltata

アサザ、浅沙という。 いつものように、朝の新宿御苑の母と子の森に行って、水辺を歩いていた。 橋の上に立っていた男性がしげしげと、水の中の黄色い花を眺めている。 遠目には、私は「コウホネかな~」とか思っていたのだが、近づいて見ると 「これはアサザ…

アフリカハマユウ,インドハマユウ,Crinum bulbispermum

遠めには、葉の形と花のつき方がハマユウ(浜木綿)に似ていると思ったが、そばに寄ると、白い花はユリに似ている。 いくつかの大輪の花が一緒に、背の高い太い茎にまとまっている。 ただし、若干しどけない感じで、ユリっぽくない。 きりっとエレガントな、…

モジズリ,ネジバナ,Spiranthes sinensis

蘭科の植物は、世界で15000種類もあるらしい。 蘭(らん)の仲間は多いと聞くけれど、こんなちびっこい花まで蘭(らん)だなんて! ネジバナ、とかモジズリ、と言う雑草。 子供のころは、どこでも見られたありふれた花だけれど、最近ではちょっと見かけない…

サルビア,Salvia splendens

ずっと離れた遠くから、真っ赤な塊が見える。 今は花が少ない時期だから、なんだろう? そう思って近づいて見た。 円形花壇をぐるり取り巻いたサルビアの赤い花。本当は、あまりサルビアって好きではなかったのだが。 なぜかと言うと、ちょっと昭和っぽい花…

柿蘭,カキラン,茶花,Epipactis thunbergii

いつもお願いする近くのお花屋さんで、おまけにもらった柿蘭(かきらん)という夏の茶花。 サロンの中が暗いので、あまりよく撮れなかったけど。 ほんの5mmほどの柿色の花を釣鐘状に咲かせる。 よく見ないと気がつかないほどだけど、侘びた風情がとてもステ…

柳とういろう,ヤナギ,Willow

水辺の柳はとてもいいもんだ。 一昨日もビヨウヤナギのことを書いていて、柳つながりのテーマである。 柳を見るたびに思い出すお菓子がある。 子供の頃、和菓子メーカーの青柳外郎(ういろう)という名古屋のお菓子がとても好きで、よくお土産に買ってきても…

キンシバイとも、ビヨウヤナギとも。Hypericum monogynum

「柳眉(りゅうび)」とか、「柳眉ををさかだてる(眉を吊り上げる意味)」とか、いう言葉がある。 美人の眉の柔らかなカーブを、柳の葉の形にたとえたものだ。 梅雨の薄暗い空の下、鮮やかな黄色が目をひくし、長い蘂がなんとも美人である。 においがないの…

ハンゲショウ,Saururus chinensis,

まだ、一枚だけ白くなっているハンゲショウ。 半夏生は、夏至の頃に、半分だけ色の白くなった葉を開く。 まるでお化粧をしたようだ。 そこで、半分+化粧のハンゲショウ。 やがて白い葉がどんどん増えて、水辺が白く染まると、どこからか黄色い蝶がひらひら…

あじさいの。 Hydrangea

あるいても、あるいても、つづく紫陽花のやま 海と空の境目はどこ? 地球は宇宙に浮いているのだから。

巨大アジサイ、紫陽花 Hydrangea macrophylla

再び、アジサイ(紫陽花)である。 巨大、といっても全体が巨大なのではない。 新宿御苑のアジサイの並木に、とても大きな花が一輪だけで咲いているのを見つけた。 変異なのかな? 複数の花の栄養が、この一輪に凝縮したとか。 同じ木の鞠(まり)咲きのアジ…

青梅,アオウメ,Japanese plum

梅の実が大きく膨らんでくると、梅雨の季節だと感じる。 梅雨の漢字の由来は色々あるようだが、「梅の実が熟す頃だから」と言う理由は、季節感がありきれいだから、そう思いたい。 小さい頃、家の庭に大きな梅の木があって、よく実がなった。 母は棒で梅の実…

リンデンブロッサム 西洋シナノキ Tilia × europaea

リンデンバウムの花。 新宿御苑の新宿門の外に、数本のリンデンの樹がある。 この樹に気がついたのはまだ昨年のことだ。 ドイツのベルリンにはウンター・デン・リンデンという有名な大通りがあるし、パリのテュルリー公園の並木もよく知られている。 街中の…

昼顔、ヒルガオ、Calystegia japonica

「ヒルガオ」とカタカナで書くと、なぜか外来の種のイメージがする。 ヒルガオは日本始め世界中に分布しており、特にそういうわけではないが、高麗とか、百済とか渡来したような雰囲気の字面(じづら)。 ヒルガオを横からみると、凛とした漏斗(ろうと)型…

ヒメジョン?ハルジョオン?Erigeron annuus

ヒメジョオンかしら?(姫女菀)ハルジョオンかしら?

あじさい、紫陽花、Hydrangea macrophylla

今年もまたアジサイの季節がやってきた。 もうすぐ、梅雨。 学名のハイドランジア、というのは「水の容器」と言う意味なのだそうだ。 通常、花が開いていく過程では、たくさんの水を必要とする。 茎の太さに対して、花の数が多いと水が足りなくなる。 花びら…

夏の白い花,ハマユウ,Crinum asiaticum,

夏の夜の香りは、からだにまとわりつきながら重く沈んでいく 白くぬるいいくつもの手が伸びてくる 闇の眠りに惹きこまれる その手前で引き返す 濡れたビロードの 苦しげな吐息 いっそ淵に飛び込めば 月光にきらめく翔を持つ 蜻蛉(かげろう)の翳 ►タイワン…

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