パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

2017-01-01から1年間の記事一覧

「Hyouge」 Fragrance story ② ひょうげ(旧織部)の香りができるまで

「Hyouge」 Fragrance story ② ひょうげ(旧織部)の香りができるまで よく「名前と香りのどちらが先にできるのですか?」と聞かれるが、その時々で違う。 先にテーマが決まって、香りがその目標に向かっていくこともあるし、出来上がってからしっくりくる名…

「Hyouge」 Fragrance story ①世界のグリーンティノートの変遷

「Hyouge」 Fragrance story ①世界のグリーンティノートの変遷 ヴァン・ヴェール(ピエール・バルマン)が1946年に発売されて以来、グリーンタイプはグリーンを強調したり、フローラルやシトラスに振れたりしながら今日まで続いてきた。 その中で、緑茶ノー…

エレベーター、そして残り香 Sillage

夜、住まいについてエレベーターに乗ると、ほのかに香水の残り香が漂っていた。 男性用だ。今風だけど安っぽくない。温かみのある、乾いたウッディバルサムが残っている。もう消えてしまったトップは、多分シャープなハーバルとマリン。 「どんな人がつけて…

アトリエ・ショップ「六本木駅」からのルート Directions from Roppongi Station.

アトリエ・ショップ「六本木駅」からのルート Directions from Roppongi Station. ※ アトリエ・ショップは現在完全ご予約制です ►ご来店ご予約フォーム Visit reservation form ① 地下鉄六本木駅(日比谷線、大江戸線)を降りてからのルートになります。(約…

シキミ② 樒 Japanese star anise/Illicium anisatum

春と秋の彼岸と、父の命日、お盆。年に4回は墓参にくる。そのお寺で二年前に発見したのが「シキミ(樒)」。春に行けば花が、秋に行けば実が見れる。この写真はまだ木についている、緑色のぷっくり丸い、シキミの実。 シキミの別名は「ジャパニーズ・スター…

幸せの青い鳥 L'Oiseau bleu

あなたが欲しいものは心でしょうか、形でしょうか。両方を得ようとしても得られませんよ。形だけを得ても、心は手に入らぬものです。心があれば形は自(おの)ずとついてくるでしょう。 「幸せの青い鳥」を探し求めて、最後は自分の家に見つけるという寓話は…

花に囲まれて寝ること on the flower_bed

異国の地では外では知らず緊張しているものなので、いつも部屋に帰ってくるとどっと疲れが出てベッドに倒れこむ。洗い立ての香りに顔をうずめ、しばしうっとりとするのである。 ホテルではたいがいシーツは真っ白だけれども、パリのアパルトマンでは柄ものや…

ウビガン ケルクフルール Quelques Fleurs_Houbigant

ウビガン(Houbigant),ケルクフルール(Quelques Fleurs),1913年発売の香水。 アンティークボトル。 ふっくらしたボトルとストッパーが可愛いし、ラベルもノスタルジックな感じで、全体として魅力的。この香水瓶は10年ほど前に購入した。当時はまだアンテ…

香水をいろいろ試せる「10本レフィル」

10本レフィルは、パルファンサトリのオードパルファンが10種類はいったクールなセット。香りを少しずつお試しいただけます。香水のマメ知識が満載の、パフュームブックもついています。 女性にお勧めのAセットと、男性もつけられるBセット。「二人でいろいろ…

重陽(ちょうよう)の節句 9th September

9月9日、今日は重陽(ちょうよう)の節句。菊の節句ともいわれる。菊は姿を愛でるだけでなく、日本では長寿や健康に良い「食」としても用いられてきた親しみのある植物である。 この日、「きせ綿」といって菊の花に前の晩に綿を被せておき、そのかぐわしい朝…

鏑木清方(かぶらききよかた)と、Le Parfum de GILOT

美人画展 毎年8月には、近くのホテルで絵の展覧会を開催しているので、一人で出かけるのが常である。今年は鏑木清方(かぶらききよかた)と上村松園(うえむらしょうえん)を中心に集めた美人画展であった。 鏑木清方は美人画で有名な日本画家であるが、そ…

ひょうげ(旧織部)Hyouge お客様のご感想

『渋みのある清々しい大人の香りだと思いました。 今までに出会ったことのない斬新な香りに東洋の神秘を感じます。 もの静かで凛とした雰囲気、季節で言えば秋にぴったりな香りだと思いました。』 (女性のお客様より) 『ドライでありながらも柔らかく清潔…

9月の感傷 sentimental September

雨が樋(とい)を伝って、あふれた水が地面を叩いている。 これが夢の中で聞いているのだということは、妙にわかっているのだ。 その遠い音がリズムとなって、やがて近くにやってくる。 「トトトン、トトトン、トトトトト・・・・」 三三七拍子(さんさんな…

キュウリの漬物 ウンデカベルトール Undecavertol

キュウリの漬物は、ウンデカベルトールの匂いがする Undecavertol ウンデカベルトール Undecavertol という香料は、明るい黄味がかったグリーン感じさせる、フレッシュなグリーンノートである。香りの中に少し感じられる酸味と塩気が青臭さとあいまって、塩…

イチョウ、銀杏(ギンナン)Ginkgo biloba

ようやくギンナンの新物が出る季節になった。それは秋の始まり。 まだ青いギンナンの素揚げしたものを、熱いうちにパラリと塩を振ってひと粒つまむ。噛むとねっちりと歯ごたえがあり、塩味と油のコクでほろ苦さが引き立ってうまい。 子供のころは、茶碗蒸し…

パルファンサトリ オフ会 fragranceschool

パルファンサトリ オフ会 fragranceschool 今日は先週末に行なわれた、パルファンサトリフレグランススクールの「オフ会」の様子をアップしてみました。 新しいアトリエに移転して1か月半。少し落ち着いたところでの、アトリエのお披露目をかねたスクール生…

イランイラン,Ylang ylang, Cananga odorata

イランイラン,Ylang ylang, Cananga odorata フレッシュなイランイランを入手 家で香料植物を育てている生徒のMさんが、家からイランイランの花を持ってきてくれた。 前からイランイランの鉢があると聞いていたのだが、開花と教室に来るタイミングがあって…

終戦の日 8月15日 (end-of-war memorial day)

91歳の母が裁縫をしながら、何とはなしに話題が戦争中のことになったので、忘れないように書き留めておく気持ちになった。 母は昭和19年に薬専(現在の薬科大学)に入学した。 「20年、3月10日の東京大空襲のときは、東京目黒の五本木の学生寮にいた。東の…

夜咲く花,夜香木(ヤコウボク),ナイトジャスミン,Cestrum nocturnum

土曜日の夕方、スクール生のMさんが、家から夜香木(ヤコウボク)を切ってきてくれた。家には白い花を中心にした庭があり、香料植物も多いとか。お母様の丹精だそうである。この夜香木の株が大きくなり、かなり生い茂っていてるそうで、伸びた枝に次々と花が咲…

麻の白いカーテン③  南仏便り LINEN MADURA CANNES

麻の白いカーテン③ 南仏便り LINEN MADURA CANNES 「MADURA(マドゥラ)」というお店。 南仏カンヌ、Rue d'Antibes(アンティーブ通り)にある。本ブログの「南仏便り」にとっくに書いたと思っていたが、まだ載せた事がなかったので改めて紹介する。 アンテ…

麻の白いカーテン② 南仏便り CANNES

麻の白いカーテン② 南仏便り LINEN MADURA CANNES 白いLINENのカーテンをアトリエにつける と、いうことで昨日からの続き。6月、南仏カンヌにあるインテリアショップ、MADURA(マドゥラ)で白いLINEN(亜麻)100%のカーテンを買った。 カーテン6枚の合計は15…

麻の白いカーテン① 南仏便り LINEN MADURA CANNES

麻の白いカーテン① 南仏便り LINEN MADURA CANNES フランスの多くの窓辺によく見かける、ごくあっさりとした白いカーテンが欲しいと思っていた。毎夏、カンヌに来て、このインテリアショップでみるたびに「買って帰ろうかな~でも、荷物がいっぱいになっちゃ…

高知県 国産ライチ・レイシ(茘枝)Lychee Litchi chinensis

よく通る地下鉄駅の改札口を出たところに、いつも期間限定で数件の屋台が出ている。いろいろな県の物産を扱っていることが多いのだが、今日は「国産ライチ」だというので足が止まった。 ライチといえば昔は缶詰が普通で、10年ほど前にようやく生の輸入が始ま…

オランダ便り14 コインプレス機 stedelijk museum amsterdam

オランダ、 アムステルダム市立美術館(Stedelijk Museum Amsterdam)は、ゴッホ美術館やアムステルダム国立美術館のすぐ近くにある。近・現代美術を展示している美術館である。 引越しをしていたら、荷物の中からぽろっとこのコインが出てきたので、アムステ…

ガラスのペンダントシェード Lamp shade

イギリスアンティーク、ガラスのペンダントシェード。 引っ越しのお祝いに頂いたもの。 インテリアのものを贈るのって、とっても難しいものだと思うけど、センス良く選んでくれた。私の好みやアトリエをよく知っているからこそできることだと思う。 とろんと…

夏の庭 ミソハギ 禊萩 Shinjuku Gyoen National Garden

夏の庭 ミソハギ 禊萩 Shinjuku Gyoen National Garden 静かな、夏の新宿御苑。フランスから戻って1ヶ月あまり、久しぶりに訪れてみる。 代々木から六本木にアトリエを移してしまったために、ちょっと通勤の途中でより道をして新宿御苑を散歩する、というわ…

オランダ便り13 ズグロッピーノ Sgroppino

ズグロッピーノ(Sgroppino) というウォッカベースの甘いカクテル。 今日はまた少し暑くなったので、オランダで飲んだ冷たいデザートドリンクのことを思い出して書いてみる。 この日のアムステルダムは7時でもまだ昼のように明るい。天気もよいのでフラット…

アトリエ・ショップ「六本木一丁目駅」からのルート Directions from Roppongi-Icchome Station.

地下鉄「六本木一丁目駅)(南北線)」 からのルートDirections from Roppongi Ichome Station. ※ アトリエ・ショップは現在完全ご予約制です ► ご来店ご予約フォーム Visit reservation form ①地下鉄「六本木一丁目駅)(南北線)」 からのルートです。 Fro…

アンティークの額、葉脈標本 Skelton Leaf

今まで飾り切れずに仕舞ってあった絵がたくさんある。アトリエが新しくなったのを機に、額の中身を変えてみる気になった。 これは葉脈標本を並べたもの。私は全然ノーマークだったのだが、絵を広げているうちに友人が「これ素敵!」と選んでくれた一枚である…

アンティーク時計,Clock

ガラスでできたアンティークの時計。色がとろっとセピア調で可愛い。 もうずっと長いこと、調香オルガン台の上に置かれていたのだけど、今度は香水の飾り棚の上におくことにした。 後ろに見えるのは、自作のミニチュア調香オルガン台。 こんな風に下から撮る…

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