パルファン サトリの香り紀行

調香師が写真でつづる photo essay

2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧

与一出発 Go to Cannes

「12時間(フライト)+3時間(空港)+1.5時間(フライト)の、長い道中で。」 「お互いだんだん、遠い旅はしんどくなるネエ。」 「さとりさまは後ろでふんぞり返ってるだけだからいいケド」 「これで何かと気を張っているのさ。せいぜい励んでおくれ」 レッ…

ガーデニア,クチナシ,Gardenia jasminoides,

クチナシについては、今まで花から香りから、何度も書いているので目新しいことも無いのだが、 やっぱりキレイだなと思うと写真を撮ってしまうし、撮ったら載せたくなってしまう。 これは八重のくちなし、白い肉厚のいい香りのする花。 中心の花びらの重なり…

ギボウシ,白い花 plantain lily

ギボウシの白い花。 見た目は百合のようだが、花のつき方と葉が違う。 葉の緑がすずやかな、夏の花。春には、「うるい」という山菜として葉を食する。ちょっとぬるぬるする。 日陰に咲く地味な印象の花だと思っていた。 ヨーロッパへシーボルトが持ち帰って…

水生植物,アサザ,浅沙,Nymphoides peltata

アサザ、浅沙という。 いつものように、朝の新宿御苑の母と子の森に行って、水辺を歩いていた。 橋の上に立っていた男性がしげしげと、水の中の黄色い花を眺めている。 遠目には、私は「コウホネかな~」とか思っていたのだが、近づいて見ると 「これはアサザ…

アフリカハマユウ,インドハマユウ,Crinum bulbispermum

遠めには、葉の形と花のつき方がハマユウ(浜木綿)に似ていると思ったが、そばに寄ると、白い花はユリに似ている。 いくつかの大輪の花が一緒に、背の高い太い茎にまとまっている。 ただし、若干しどけない感じで、ユリっぽくない。 きりっとエレガントな、…

モジズリ,ネジバナ,Spiranthes sinensis

蘭科の植物は、世界で15000種類もあるらしい。 蘭(らん)の仲間は多いと聞くけれど、こんなちびっこい花まで蘭(らん)だなんて! ネジバナ、とかモジズリ、と言う雑草。 子供のころは、どこでも見られたありふれた花だけれど、最近ではちょっと見かけない…

サルビア,Salvia splendens

ずっと離れた遠くから、真っ赤な塊が見える。 今は花が少ない時期だから、なんだろう? そう思って近づいて見た。 円形花壇をぐるり取り巻いたサルビアの赤い花。本当は、あまりサルビアって好きではなかったのだが。 なぜかと言うと、ちょっと昭和っぽい花…

柿蘭,カキラン,茶花,Epipactis thunbergii

いつもお願いする近くのお花屋さんで、おまけにもらった柿蘭(かきらん)という夏の茶花。 サロンの中が暗いので、あまりよく撮れなかったけど。 ほんの5mmほどの柿色の花を釣鐘状に咲かせる。 よく見ないと気がつかないほどだけど、侘びた風情がとてもステ…

柳とういろう,ヤナギ,Willow

水辺の柳はとてもいいもんだ。 一昨日もビヨウヤナギのことを書いていて、柳つながりのテーマである。 柳を見るたびに思い出すお菓子がある。 子供の頃、和菓子メーカーの青柳外郎(ういろう)という名古屋のお菓子がとても好きで、よくお土産に買ってきても…

キンシバイとも、ビヨウヤナギとも。Hypericum monogynum

「柳眉(りゅうび)」とか、「柳眉ををさかだてる(眉を吊り上げる意味)」とか、いう言葉がある。 美人の眉の柔らかなカーブを、柳の葉の形にたとえたものだ。 梅雨の薄暗い空の下、鮮やかな黄色が目をひくし、長い蘂がなんとも美人である。 においがないの…

ハンゲショウ,Saururus chinensis,

まだ、一枚だけ白くなっているハンゲショウ。 半夏生は、夏至の頃に、半分だけ色の白くなった葉を開く。 まるでお化粧をしたようだ。 そこで、半分+化粧のハンゲショウ。 やがて白い葉がどんどん増えて、水辺が白く染まると、どこからか黄色い蝶がひらひら…

あじさいの。 Hydrangea

あるいても、あるいても、つづく紫陽花のやま 海と空の境目はどこ? 地球は宇宙に浮いているのだから。

巨大アジサイ、紫陽花 Hydrangea macrophylla

再び、アジサイ(紫陽花)である。 巨大、といっても全体が巨大なのではない。 新宿御苑のアジサイの並木に、とても大きな花が一輪だけで咲いているのを見つけた。 変異なのかな? 複数の花の栄養が、この一輪に凝縮したとか。 同じ木の鞠(まり)咲きのアジ…

村上開新堂 KAISHINDO

昨日の続きであるが、服部先生の叙勲式の引き出物は、やはり村上開新堂のクッキーだった。 「やはり」というのは、村上開新堂5代目の山本道子さんと服部先生は古いご友人だし、「僕の3時のおやつはいつも開新堂のクッキーだから」とおっしゃっていたからであ…

青梅,アオウメ,Japanese plum

梅の実が大きく膨らんでくると、梅雨の季節だと感じる。 梅雨の漢字の由来は色々あるようだが、「梅の実が熟す頃だから」と言う理由は、季節感がありきれいだから、そう思いたい。 小さい頃、家の庭に大きな梅の木があって、よく実がなった。 母は棒で梅の実…

織部焼(おりべ)Oribe 香合/ incense case 母の茶道④

これは、織部焼(おりべやき)の香合(こうごう)。 形はギボウシ(擬宝珠)、ニ代目池田瓢阿(いけだひょうあ)先生の作である。 二代池田先生は十年ほど前に亡くなられてしまったが、籠師(かごし)、竹芸家として作品を作られる傍ら、教室も開いておられ…

プレシャスPrecious7月号に掲載されました!July2015

「Precious(プレシャス)」7月号に「ベーシックコレクション」と「イリスオム」掲載 プレシャス7月号(2015/6/7発売)の香水特集「夏のフレグランス選び」に、パルファン サトリが大きく取り上げられました。 235,236ページ見開きに13点のベーシックコレクシ…

簡単!抹茶を濾す方法 tea ceremony 母の茶道③

簡単レシピ!調のタイトルにしてみたが、いたってまじめである。 茶道で使うお茶は、普通の煎茶などの茶葉とは違い、碾(ひ)き臼で細かい粉に挽(ひ)いてある。 そのため湿気を吸いやすく、保管したままの状態でお茶をたてると、きれいに溶けないでダマが…

母の茶道② tea ceremony

40代の頃からだから、もう半世紀近くになるだろう。母は毎朝、お薄(おまっちゃ)を自分のために二服(二杯)たてる。 来年90歳になろうとしているが、いまだに元気なのは、ひとえにこの緑のお茶によるものだろう。 部屋の一角に小さなコーナーをしつらえ、…

リンデンブロッサム 西洋シナノキ Tilia × europaea

リンデンバウムの花。 新宿御苑の新宿門の外に、数本のリンデンの樹がある。 この樹に気がついたのはまだ昨年のことだ。 ドイツのベルリンにはウンター・デン・リンデンという有名な大通りがあるし、パリのテュルリー公園の並木もよく知られている。 街中の…

ほたるかご 蛍篭 HOTARU KAGO 母の茶道①

蛍篭(ホタルカゴ)という意匠の中次(なかつぎ) 薄茶器、抹茶の入れ物の一種。 薄茶器全体が、蛍篭(ほたるかご)を表している。夏草に止まる蛍が、黒い漆の上に描かれ、明滅している。黒に黒なので、遠目には紅い点しか見えない。よく見れば闇の中にも翅…

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